借金を払えなくなるとブラックリストに載って、人生が終わってしまう。こんな誤解がブラックリストにはあります。結論を言えば、借金ができなくなるだけで、日常生活にはなんら不便は生じないので、必要以上に恐れることはありません。
ただし、大事な場面でブラックリストに載っているがために、できないこともあるので甘く見てもいけません。
それでは、知られているようであまり知られていないブラックリストについて解説します。
ブラックリストとは
ブラックリストというのは正式名称ではありません。消費者金融や信販会社・銀行などが加盟している信用情報機関に登録されている事故情報です。
各社が情報を共有することによって、適切な融資が行われるようにしているのです。貸金業者を貸し倒れから守る役割と、借り手を過剰な借金から守る役割があります。
信用情報機関
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行・信金・信組・農協系
- 株式会社 シー・アイ・シー(CIC) 信販会社系
- 株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融系
信用情報機関には個人の取引が登録されていて、加盟会社はその情報を見ることができます。
事故情報
- 延滞 :数カ月(通常3か月)に渡る延滞、度重なる延滞をすること
- 債務整理:(さいむせいり) 借金の元本を減らす、利息を免除する等で返済がなされること(任意整理・個人再生・自己破産等)
- 代位弁済:(だいいべんさい) 本人が支払えなくなって、別の人(家族・会社等)が本人の代わりに返済すること。
以上が事故情報と呼ばれます。
ブラックリストは消せるの?
登録された情報は自分で消すことはできません。(その情報が間違っている場合を除く)事故情報が登録されている期間は
- 延滞:最長5年
- 債務整理:最長10年
- 代位弁済:最長5年
この間はブラックリストに載り続けることになります。
ブラックリストは戸籍に載る?
ブラックリストはあくまでも、民間企業の金融情報なので、それが戸籍に載ることはありません。また、個人の情報なので、家族への影響もありません。ただし、個人再生や自己破産という方法を取って借金を返す場合は「官報」(かんぽう)という、政府が発行する機関誌に名前が載ることになります。
もう借金はできない?
ブラックリストに載っているからといって、融資をしてはいけないという法律は存在しません。ただし、著しく信用を損なっているという状態です。ほぼ不可能です。ただし、もう少しで登録が消える時期になれば、中小の消費者金融が少額の融資をする可能性はゼロではありません。
大手は社内規定でブラックリスト登録されている人とは契約しないことが決まっているので、登録が消えない限り、借金ができる可能性はありません。
入居審査にも落ちる?
入居審査に保証会社の審査が必要なときは、審査落ちする可能性があります。信販会社が保証会社の場合は、信用情報機関に照会できるので、そこでブラックリストに載っていることがわかるのです。信販会社以外が保証会社なら、情報照会ができないので影響はありません。入居前に確認が必要です。
また、「家賃保証会社」との契約が必要な場合、クレジットカードを作らないといけないので、実質上入居することはできません。
就職に悪影響は?
たとえ金融機関であっても、借入審査以外に信用情報機関の信用情報を使うことは禁じられているので、就職には影響はありません。
ただし、自分が借金をしている金融機関に就職しようとする場合は、社内のデーターベースにアクセスすればブラックリストに載っていることがわかるので、就職できる可能性はほぼゼロです。
すべては自己責任
ブラックリストが怖くて、どんなものが調べたくて、この記事にたどり着いたあなたに伝えたいことがあります。
「すべては自己責任」であることです。借りたのはあなたです。無計画な借金の結果、立ち行かなくなったのです。ブラックリストによってこれ以上借金が膨れ上がるのを防げたのですから、ブラックリストに救われたとも言えるのです。
まとめ
以上、ブラックリストについて解説してきました。極端な話をすればデメリットは「借金ができなくなること」だけです。収入の範囲内で生活をするのなら、何の問題もありません。借金によって、自分の収入範囲を超えて生活することは本来間違っているのです。
ブラックリストから消えるまでに、あなたがそれを理解してくれることを切に願います。